コラム
部長と課長の確執――部下が取るべき手段は?:吉田典史の時事日想(3/3 ページ)
権限と責任があいまいな職場は少なくないが、こうした組織にはどんな問題が潜んでいるのだろうか。今回は筆者の経験を元に、解決策を考えたい。
月に数回は皆で話し合う「場」を
この記事を書くにあたり、そこの社員に聞くと、課長は異動になったようだ。部長が追い出したという。職場の空気はそのときほどひどくはなく、話し合う「場」は今もあるようだ。部長は今も仕切らないと気がすまないとも聞いた。
この経験から、職場には月に数回は皆で話し合う「場」を設けることを私は勧めたい。それで社員の対立は完全には解決できないが、向かい合う習慣を設け、それを文化にしていくことで歯止めが利くようになる。それぞれの思いや言い分はあるだろうが、意識は極力1つにした方がいい。だが、皆が個人事業主のようになっている職場ではそれが難しい。根回しをしたうえで提案しないと、いじめを受ける可能性がある。
振り返ると、職務の範囲や権限と責任があいまいな職場で生きていくのは、私には耐えられなかったのだろう。読者はあいまいな職場で納得感のある仕事ができているだろうか。
関連記事
- 東京電力にみる、社長と会長の奇妙な関係
福島第1原発の事故を受け、東京電力の清水社長が辞任した。歴史に残る事故を起こした責任は重大で、辞任は当然だろう。しかし勝俣会長はなぜ会長職にとどまることができたのだろうか。日本企業の縮図ともいえる、社長と会長の関係に迫った。 - メディアは報じる、「震災で亡くなった人=美談」と
東日本大震災が発生し、多くのメディアはさまざまな“美談”を報じてきた。震災で多くの人が命を失ったが、彼らの死を「かわいそう」「仕方がない」といった表現でまとめていいのだろうか。 - 大企業の正社員、3割は会社を辞める
東日本大震災の発生以降、「今後どのように働いていけばいいのか」と考えるビジネスパーソンも多いのでは。ポスト大震災の働き方について、人気ブロガーのちきりんさんと人事コンサルタントの城繁幸さんが語り合った。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.