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原発ではどんな人が働いているのか? 底辺労働者の実態に迫る(3/4 ページ)

福島第1原発の事故を受け、多くの人は「原発は怖い」と感じているだろう。しかし原発でどんな人が働いているのかは、あまり知られていない。原発を追い続けてきた報道写真家・樋口健二氏が、労働者の実態を明らかにした。

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原発に、黒人がいたのだ

 原発の労働形態を見ると、東電の下に下請けや孫請け、ひ孫請けなどが作業をしているが、なぜマスコミは下請けのことを「協力企業」と呼ぶのだろうか。また末端には日雇い労働者がいるが、ここには暴力団が食い込んでいる。なのにマスコミは「仲介業」という言葉を使っている。原発というのは日本の底辺労働者を使い、彼らを“ぼろ雑巾”のように捨ててきた歴史があるのだ。

 この底辺労働者というのは、農漁民、被差別部落民、元炭鉱労働者たちが多い。また最近では、大阪の寄せ場にいる人たちをだまし、原発に連れて行ったことが明らかになった。


線量計

ホールボディカウンター

 原発で働いてきたのは日本人だけではない、実は黒人もいたのだ(関連記事)。1977年7月、私は敦賀原発を取材した。早朝、原発に行ったところ、たまたま黒人と出会い、彼らの写真を撮影した。写真を撮ったので、電力会社側も認めざるを得なくなった。担当者に「黒人は何人来ているんですか?」と聞いたところ、「60人」と答えた。多くの黒人たちは、米国のGEの下請けを通じて、観光ビザで2〜3週間ほど働いていたのだ。

 その後、神奈川県出身で衆議院議員の故・草野威(くさの・たけし)さんの秘書から連絡が来た。「草野が国会質問をしたい。そのために樋口さんに協力してほしい」と。そして草野さんと一緒に敦賀原発を回り、さらにGEの下請けが東京に拠点を構えていたので、そこに行って「原発で黒人が働いている」という裏づけも得た。


原発で働く労働者たち

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