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日当9000円――なぜ原発で働く人の賃金は安いのか(4/4 ページ)
原発で働く下請け労働者の賃金は、高くない。震災前、ハローワークに出ていた求人票には「日当9000〜1万1000円」と書かれていた。被ばくの危険性が伴うのに、なぜ原発労働者の賃金は安いのだろうか。『週刊東洋経済』の現役記者が、その理由を明らかにした。
1988年、関西電力の高浜原発で少年3人が、労働者平均の約5倍の被ばく量となる危険な作業を行わされていた。原発(管理区域内)では未成年者の労働が禁じられているが、少年は住民票を偽造され働かされていた。その少年を斡旋したのは、京都府内の暴力団員。少年たちは4次下請けで働いていたが、暴力団に3割ほどピンハネされていた。
30年前と比べ、原発で働く労働者の賃金水準はあまり変わっていない。報道写真家の樋口健二氏によると「15年前、東電は1人7万円の日当を出していたが、ピンハネ率は8割を超えていた」という(関連記事)。なぜ賃金水準が変わらないかというと、下請け構造があるから。
下請けというのは各段階でお金を抜いていく。たくさんある下請けの構造を変えない限り、原発で働く労働者の賃金は変わらないだろう。
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