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昨日の大幅高で上値も限定的清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

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明日の相場雑感

 米国株が大幅高となり、為替も落ち着いたことから買い先行となりましたが、昨日の大幅高である程度米国株高を織り込んでいたこともあって上値の重い展開となりました。決定的な売り材料も買い材料もないなかで昨日まで売られたものが買われ、買われたものが売られるような動きもあり、指数は底堅く堅調なのですが、小動きとなりました。買い材料となりそうなテーマで買われていてもいったん動きが止まると途端に手仕舞い売りや見切り売りに押されてしまうと言うようなことで、腰の据わった買いが見られないなかでは最後まで買い切れないということのようです。

 昨日も述べましたが、世界的な景気鈍化懸念が出ているというものの、それこそ、「リーマンショック」と言われた時のように、決定的な材料に乏しく、米国の経済指標などを見ても悪いと言えば悪いのだが、悪くないといえばまぁそこそこしっかりとしているというような感じであり、銘柄によっては買える水準まで下がったものも多く、売り急ぐ動きにならないのでしょう。また、先行きに対してもそれほど悲観的ではなく、「QE2(量的緩和)が終わったら・・・」と言う懸念が先走りしているような感じです。

 実際に米国でも中国でもダメなものはいつでも、いつまでもダメであり、そのダメがものが良くならないからといって景気がこれ以上良くならないといっているようで、実際には「良いものは良い」と言う見方さえすれば先行きに対してももっと楽観的になれるのではないかと思います。特に日本では「一億総中流」と言われたように他人と同じようであれば安心するというような部分もあり、世界景気に関しても皆と同じように悲観していれば安心ということなのでしょう。

 電力株の動きにしても、いわゆる「額面割れ」という状況で株価の動き云々ということ自体がおかしく、電力株がいくら上昇しようが下落しようがあまり経済実態や指数には影響はないと思います。政策次第でころころ情勢が変わる株価であり、通常の株価と同列に扱うという必要もないと思います。マネーゲームと割り切るしかないと思います。政策次第で株価が決まるものなど通常の株の動きと同じように分析しても意味がないと思います。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
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