37歳の転機を前に……自分でそれに気が付けますか?:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
人生後半の生き方がほぼ決まってしまう37歳という年齢。その時期を乗り切るため、30代半ばまでに主体的に何らかの決断をし、行動に移していくことが大切だとちきりんさんは主張します。
主体的に決断して動かないといけない
繰り返しですが、この“2回目の勝負”は、就職活動みたいに“全員で一斉に動く”イベントとは違い、誰もお膳立てをしてくれません。だから「転機があること自体」に自分で気が付き、どうかじ取りをするかを自分で主体的に考え、決断して動く必要があるのです。
「本当にずっとこの会社にいていいのか?」「転職すべきなのか?」など、自分で意識して考えないと、多忙な日々を送る間に“ずるずる”37歳までの時間が過ぎてしまいます。
また、今まで成功していた人ほど、この転機のマネジメントは難しくなります。就職活動時期が不況で“挫折認識”のある人は、ずっと「次こそは!」と思っているでしょう。でも、最初にうまくいった人は、リスクをとるのが怖くなります。そこそこうまくいっていると「もうちょっとこのままでもいけるんじゃないか」という気がしてしまうのです。
そうやって「まだいけるんじゃないか」「まだもうちょっとはいけるだろう」と言いながら決断を先延ばしにしていると、37歳でなにか変だと気がついて、「あれっ?」と思っている間に40歳になって……ということが起こります。
というわけで、30代前半のみなさんへ。人生において37歳は重要な通過点です。そこから先は、未来は確実に見えるものになります。かといって、37歳の「最後通告」直前でじたばたしても間に合いません。35歳くらいまでに、「キャリア後半戦」のための準備を整えておく必要があるのです。それが軌道に乗って37歳を迎えれば、そのまま次の上昇気流に乗れるでしょう。
最後通告は37歳ですが、実質的に大事なのはその数年前の時期なのです!
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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