ノルウェー建国記念日に第2の都市「ベルゲン」を歩く:山形豪のノルウェー紀行(1/3 ページ)
ノルウェーは、豊かな文化と美しい自然に彩られた国だ。特に国土の南西部のフィヨルド地域は多くの旅行者を魅了する。旅は、ハンザ同盟の拠点として長い歴史を持つ港街「ベルゲン」からスタートする。
北欧、スカンジナビア三国の1つノルウェーは、豊かな文化と美しい自然に彩られた国だ。特に国土の南西部はフィヨルド地域と呼ばれ、多くの景勝地やユネスコ世界遺産が点在することから、世界中の旅行者を惹き付けている。5月17日から23日にかけて、そんなノルウェー南西部を取材した。
ハンザ同盟の拠点として長い歴史を持つ港街 ベルゲン
今回の旅はノルウェー第2の都市ベルゲン(Bergen)から始まった。フィヨルド地域を旅する際の起点となる港街だ。その歴史は古く、11世紀まで遡る。中世ドイツで生まれ、ヨーロッパ北部を中心に強大な商業ネットワークを築いたハンザ同盟の貿易港として永らく栄えたことで、歴史にその名を残している。現在では、北海油田/ガス田開発の拠点となっているほか、ノルウェー沿岸を行き来する大型客船の寄港地でもあり、人気の高い観光都市だ。
5月17日はノルウェーの憲法記念日だった
取材初日の5月17日はノルウェーの憲法記念日だった。1814年5月17日に、それまで400年間続いたデンマークの専制君主による統治を離れ、独自憲法の制定を見たことによる。国家としての完全な独立は、1905年になるまで実現しなかったものの、この日が実質的な独立記念日となっている。国を挙げてのお祭りであり、普段は静かなベルゲンの街も、この日ばかりは朝から大変な賑わいとなる。人々はブーナッド(Bunad)と呼ばれる民族衣装に身を包み、街の中心部にあるトロガルメニンゲン(Trogallmeningen)通りを中心に盛大なパレードを繰り広げる。
女性たちの衣装には、出身地ごとにパターンの違う華やかな刺繍や飾り付けが施されており、とりわけ美しかった。また、この行事には市内の各教育機関や、警察、消防、実業団、NGOなど、あらゆる団体が参加し、中には中世の騎士のコスプレ(?)で登場するグループも見受けられた。パレード自体は昼間に終了したが、その後も人々はレストランやバーに集まり、夜遅く、街中から盛大に花火が打ち上げられるまで宴は続いていた。
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