プロトレック「PRW-5100」を使って、ノルウェーでいろいろ測ってみた:「プロトレック」レビュー(3/3 ページ)
カシオのアウトドアウオッチ「プロトレック」シリーズの最新機種「PRW-5100」をノルウェーで使う機会を得た。登山鉄道で登ってみたり下ってみたり、フィヨルドで、氷河でいろいろ測ってみたり。
コンパスをフィヨルドクルーズで試してみる
プロトレックの特筆すべき機能の1つはコンパスだ。PRW-5100の場合は方位計測ボタンを押すと、秒針が北を指し、デジタル画面に計測方位が角度もしくはN/W/S/Eといった16方位で表示される。この機能はフィールドでのナビゲーションもさることながら、見知らぬ街中を歩いているときなど、旅先のちょっとした場面で非常に重宝する。自分がどの方向を向いているのかが分からなければ、地図を持っていても役に立たないからだ。
地上のみならず、水上でもコンパス機能は力を発揮した。世界遺産にもなっているソグネ フィヨルドは、幅の狭い入り組んだ水路を形成しており、船で航行する際、進路が頻繁に変わる。そのため船の向きが分かると、地図と比較することで大まかな位置の確認ができるのだ。
グドヴァンゲンからフロムに船で向かう際、船はまず北北東から北東方向へと進む。中間地点で90度回頭して南東方向へしばらく進んだ後、真南へと転針してフロムに到着する。写真は計測した方位が181度であることを表示している。つまりフロムの近くであることが分かるのだ。
温度計を氷河で試してみる
温度計を内蔵しているのもプロトレックならではだ。ただし、このファンクションに関しては1つ問題がある。というのも、腕にはめている状態ではどうしても時計本体が体温で温められてしまい、そのままでは外気温の測定ができないのだ。
従って、気温を計測する場合は腕から外し、直射日光の当たらない場所に20分程度置いておく必要がある。そこで今回はカメラのストラップにぶら下げた状態で30分ほど待ってから測定してみた。
場所はブリクスダール氷河。結果は10.5度で、麓の駐車場よりも4度ほど低かった。もっとも氷河の周辺は風が非常に強かったので体感的にはもっと寒かったように思うが……。
インプレッション
アナログ/デジタルのコンビネーションはスタイル的には面白いと思うし、時刻も確認しやすい。しかし、それ故に各種センサーの計測結果を表示するデジタル画面の視認性に支障をきたしている感は否めない。長針、短針がデジタルディスプレイの上にかかると表示が読めなくなるのだ。例えば、5時35分の位置に針があるときなどは特に困る。
また、ライトがバックライト式ではなく、LEDの照射式なのには問題があるように感じる。デジタルディスプレイがライト取り付け面より一段下にあるため、ライトの光が影を作って表示が読みづらいのだ。せめてディスプレイの部分だけでもバックライト方式にしてほしかった。前モデルと比べて、アナログ針がネオブライト針になり、暗闇での視認性を向上させているだけに残念だ。
一方、各種計測機器の起動ボタンはサイズが大きく、滑り止めのチェッカリング加工が施してあり大変好感が持てる。これなら寒冷地や冬場のフィールドで、手袋をした状態でもボタンを容易に押せる。バンドも長く、アウターの上から装着できるのもよい。
また、高度計の精度はかなり高く、キャリブレーションさえできる状況にあればかなり正確な高度計測が可能だ。アウトドアで大いに役立つ各種機能を頑丈なケースに詰め込んだプロトレックPRW-5100は、さまざまなシーンで力を発揮し、旅を一段と楽しいものにしてくれるツールであるといえよう。
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