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“原子力村”、彼らの反論を紹介しよう原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(3)(3/4 ページ)

福島第1原発の爆発シーンを見て、原発の怖さを感じた人も多いはずだ。いまだ収束のめどすらたっていないが、なぜそんなに危ないものをたくさん造ってきたのだろうか。この問題について、原口一博議員と武田邦彦教授が語り合った。

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希望的な観測を結論にしてはいけない


武田邦彦教授

武田:原子力安全委員会の会議で「原発はエネルギー的に必要だから、原発は安全である」といった議論がありました。「エネルギーは必要なんだから、事故が起こるようなことは言うな」「必要なんだから、あまりケチをつけないでくれよ」などと言われたりしました。また「生きている間は、大きな地震なんて来ないよ」といった雰囲気が漂っていましたね。

 ところがこれだけの事故が起きても、原子力安全委員会の体質は変わらないんですよ。柏崎原発、福島原発、女川原発、東通原発が同じ原因、つまり地震でやられてしまったのに。技術系の人間から見れば、同じような設計で4基がやられてしまえば、とりあえずとめて、対策を練らなければ再スタートできない――そう考えるのが、普通でしょう。

 しかし技術者サイドから、そうした声が聞こえてきません。政府から「原発を動かしてくれ」というのであればまだ分かるが、今は逆の現象が起きています。

原口:確かに。

武田:「今の状態では原発は不安定なので、とめなければいけない」というと、このように言われます。「武田さん、それじゃあ電気はどうするんですか?」と、違う方向から矢が飛んでくるんですよ。

 仕方がないので、こう反論しています。「僕はそんなことは言っていませんよ。誰が電気のことを言いましたか? 『原発は不安定』とだけ言いましたよ。電気の問題は、原発が安全かどうかを切り離してから考えましょうよ」と。でも彼らは電気と原発の問題を一緒にして議論してくるんですよ。

原口:なるほど。

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