どのように向き合っていけばいいのか? 放射能との生活:原口一博×武田邦彦 それでも原発は必要か(最終回)(1/3 ページ)
福島第1原発で事故が起き、「放射線の影響は大丈夫なのか」と不安や恐怖におびえた人は多いはずだ。事故後、私たちはどのように生きていけばいいのだろうか。この問題について、原口一博議員と武田邦彦教授が語り合った。
3月12日15時36分、福島第1原発1号機の建屋で水素爆発が起きた。原子炉建屋が吹き飛び、作業員4人が負傷――。
「原発で何が起きたのか」「放射線の影響は大丈夫なのか」「政府や東電の情報を信じてもいいのか」。このような不安そして恐怖におびえた人も多いはずだ。
未曽有の事故が起きた今、私たちはどのように生きていけばいいのだろうか。この問題について、民主党の原口一博議員と中部大学の武田邦彦教授が語り合った。
「隠す」「ズルする」「独占する」
武田:巨大な原発の技術は、情報を公開しなければいけないと思っています。また政治的そして社会的にもきちんとしたシステムがないと、正しく運営されないと思う。
もし今後も原発を動かし続けるのであれば、情報公開をきちんとしなければいけない。事実を重視し、それを分析する。そうでなければ原発を安全に保つことは難しいと思いますよ。
原口:ですね。
武田:日本はこれから新しい技術に挑戦しなければいけません。例えばリニアモーターカーなど。新たな技術がどんどん導入されていきますが、これまでのように「隠す」「ズルする」「独占する」という環境の中ではうまくやっていけませんよ。
福島第1原発の事故では「隠す」「ズルする」「独占する」――すべて行ってきた。新しい技術を導入するときには「隠さない」「ズルしない」「独占しない」ことを徹底してやってもらいたいですね。
原口:その通りだと思います。また巨大な資本によって、巨大な広告料によって、フリーのジャーナリストを邪魔した証拠があります。大メディアが邪魔をね。
情報統制するのは、政治の世界だけではなく、メディアも変わらなければいけない。国民が「知る」ことを怖がってはいけません。むしろ事実を知らないことに対し、恐怖を感じなければいけない。
武田:政治の自由も感じられないのですが、報道の自由も感じられませんでしたね。政治家がグラついていては、報道もグラついてしまうのでしょう。
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