被災地の空に追悼と復興の花火を――8月11日「LIGHT UP NIPPON」開催
8月11日、東日本大震災で甚大な被害を受けた岩手、宮城、福島各県の被災地をつなぎ、大規模な花火大会が開かれる。花火大会は本来追悼の意を込めて開かれていたことによるもので、現在運営ボランティアや寄付を募集している。
LIGHT UP PROJECTは8月11日、東日本大震災の被災地となった複数の町で一斉に花火を打ち上げる花火大会「LIGHT UP NIPPON」(参照リンク)を行う。
現在開催予定地に決まっているのは、震災による津波被害が甚大だった太平洋沿岸の町が中心。現在、岩手県山田町、大槌町、釜石市、大船渡市、陸前高田市、宮城県気仙沼市、福島県南相馬市、いわき市の計8カ所が決まっており、10カ所以上での同時開催を目指している。
8月11日19時より、開催地では一斉に追悼と復興の祈りを込めた花火を打ち上げる。公式テーマ曲のリズムに合わせて演出を行い、観覧者はどこからでも花火の音を聞けるよう、ローカルラジオ番組とタイアップを行う予定。
花火大会は本来、災害や疫病で犠牲になった人々への追悼の意を込めて行われたものといわれる。「被災された方々がこれまでと同じように、生きること、生き続けることの先に、希望や喜びがあることを改めて感じてもらう機会を作りたいと思いました。また元来、花火大会は災害や疫病で犠牲になった方々の追悼の意をこめて行われてきたものです。今回、日本各地で行われてきた花火大会を被災地の方々と協同で実施することにより、被災地の追悼と復興に貢献し、少しでも笑顔を届けたい」(LIGHT UP PROJECT)。
1カ所で1000発の花火を打ち上げるのにかかるコストは約1000万円。プロジェクトの運営費用をまかなうため、個人からの募金と協賛企業の協賛金を集めている(7月31日まで)。募金は1口1000円から、協賛金は1口10万円から。
大会運営ボランティアをJTBが募集
LIGHT UP NIPPONの実施にあたっては、JTBも協力。花火大会に必要な運営ボランティアを募集、派遣するツアーを実施する。例えば岩手の会場へ行く場合は、8月10日の深夜にバスで東京を出発し、12日の夜に帰着するスケジュールとなっており、参加費用は3万6000円(旅行代金+花火基金3000円)。
また、京都の着物メーカーなどが中心となり「ゆかたエイド for LIGHT UP NIPPON」を発足。被災地でLIGHT UP NIPPONを観覧する人たちのために、着物メーカーや一般の有志から浴衣を回収し、開催地へ届けるプロジェクトを行う。
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