なぜ中国人は「ごめんなさい」と頭を下げないのか:Wu Yuの中国版“新人類”とうまく付き合う方法(2/4 ページ)
ちょっとした誤解や無知がとんでもなく大きな問題へ――。日中関係がこじれる時というのはやはりこのパターンではないだろうか。そこで中国における対人関係やビジネスマナーで、日本人が誤解してしまいそうな“ギャップ”をご紹介する。
残業よりも恋人を選ぶのが中国のビジネスマン
日本と中国では「対人関係」で大きなギャップがあることが分かっていただけたと思いますが、それがより顕著に出るのがオフィスではないでしょうか。有名なところでは、日本から中国にやってきたビジネスマンがまず驚く「オフィスのいたるところで口ゲンカをしている」という例のアレです。
お互いに顔を真っ赤にして、まさしく口角泡(こうかくあわ)を飛ばすという感じで言い争っているので、みなさんからするとドキドキするのでしょうが、実は私たち中国人にとって、ごくごく普通の「打ち合わせ」。中国人の声がデカイためにケンカのように聞こえてしまうだけなのです。
また、中国人と日本人の「仕事」に対する取り組み方にもかなりの温度差があると私は思います。例えば、中国の日系企業で働いていたころ、中国東北出身の男の子が新人として私のチームに入りました。身長が高く、たくましい体格で見るからに男らしい人で、日本で言うところの「九州男児」みたいなキャラでした。
ある日、急に仕事が入ったので、私は「ごめんなさい、今日はどうしても納品しなければならない仕事が入りましたので、1時間ほど残業してもらえますか?」と頼みました。しかし「ダメです。今、大雨が降っていますので、彼女に傘を送らなければなりません」とキッパリと断わられてしまいました。
このエピソードを日本人と中国人にそれぞれ話すと、面白いように意見が分かれます。日本人の多くは「は? ダメじゃん、その新人」とか「ありえないでしょ」という意見ですが、中国人は「男らしくていいね」とか「別にいいんじゃない? 退職時間になったんでしょ」という意見がほとんどなのです。
一般論的に中国人は仕事より家族や自分のプライベートの生活を重視する傾向があります。だから、日本人が休日返上で働いたり、家庭サービスを犠牲にして仕事に打ち込む姿というのは「すごい!」と思う反面、ほとんどの中国人からすると、理解できないなという印象なのです。
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