35歳になった時に心得ていないと、ヤバイこと:吉田典史の時事日想(3/3 ページ)
仕事で成果を上げていくためには、「職務遂行能力」と「仕事への意識・考え方」の双方を身に付けることが大事だという筆者。特に仕事への意識は差が付きやすいということだが、それを高めるにはどのようにすればいいのだろうか。
上司に次ぐ立場をつかむ
では、上司らとの摩擦を避けるためにはどうすべきか。私は、2つの方法が有効だと思う。1つは、仕事の型の共有。もう1つが、報告・連絡・相談をすること。仕事の型の共有は、以前の記事「30代前半の会社員がするべき4つのこと」で紹介した。つまりは、仕事をする上でのやり方とか進め方のこと。これらは上司の仕事の型をマネすることで、体得するといい。例えば、営業で言えば、上司の交渉先の見つけ方を観察し、それをすぐにコピーすることだ。
ここで忘れてはいけないことがある。ここまでは、一部の社員はできている。しかし、マネをしているだけで、それ以上のことをしていない。大事なことは、上司に「自分がマネをしている」と伝えること。例えば、報告や連絡、相談をする時にこんな言葉を口にしたい。「この前、お教えいただいたようなやり方をして……」「先日の会議で話されていたことを私もしてみたのですが……」。
これが、上司からするとたまらなく、かわいく見える。上司が高い評価を付けるのは、「生意気だが、仕事ができる部下」ではない。「仕事は自分のやり方をマネして、そこそこできて、かわいい部下」なのである。上司からすると、自らのコピーの社員は子どものようにかわいいもの。そんな部下が1つずつ、その型をリフォームしていく姿を見ると、「ああ、俺が育てた部下が一人前になる」と思う。これが、何とも言えぬ快感なのだ。
こうして型を真似ることを報告・連絡・相談を通して徹底することの狙いは、上司との意識を共有することにある。職場では、みんなが言わば「点」となっているもの。その点と点を「線」にするのだ。報告・連絡・相談により、上司という点と自分との点はとりわけ深いものにしていく。それにより、ほかの社員よりも多くの情報が流れてくるように仕掛けることが大切だ。
あなたのところに情報がどんどん集まり、あなたなくして成り立たないようになる。上司は一層、高く評価する。ほかの部下らも一目、置く。こうなると、意識は一段と高くなる。これで「職務遂行能力×仕事への意識・考え方=成果・実績」の公式で示したように、あなたの成果・実績はますます上がる。
ここまでくるともう、「職場のナンバー2」になる。上司に次ぐ立場をつかんだも同然。これが、35歳できちんとできている人は前途は明るい。自信を持って進めばいい。
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