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「仕事=会社名」――この観念をなくさなければいけない城繁幸×赤木智弘「低年収時代よ、こんにちは」(3)(3/5 ページ)

子どものころは一生懸命勉強し、偏差値の高い大学に入学する。そして卒業後は大きな会社に就職する。こうした人はこれまで“いい人生を送れる”とも言われてきたが、本当にそうなのだろうか。この問題について、城繁幸さんと赤木智弘さんが語り合った。

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赤木智弘さん

赤木:確かに城さんと違って、僕には蜃気楼的なゴールはなかったですね。とりあえず東京に出れば、何かが変わるかもしれない――といった感覚ですね。むしろ高校生のときに「やりたいことがある」という人は少ないのではないでしょうか。

 今の就活生を見ていると、人生設計がしっかりしている人が多いように感じます。人生設計を達成するために企業を選んでいるようですが、本当にやりたいことは決まっているのかな? とも感じています。

城:そう思います。

赤木:やりたいことをするために大学に行くとなると、高校生のときからやりたいことを見つけておかなければいけない。

城:そうなんですよ。なので義務教育そして家庭での教育も変えていかなければいけない。「とりあえず勉強して、いい点数をとれ」という親は多いと思いますが、まずはそこから変えていかなければいけないでしょうね。

 文部科学省と厚生労働省が昨年10月に発表した調査によると、大学生の就職内定率は57.6%でした。この57.6%には契約社員や派遣社員が含まれています。つまり過半数の学生は正社員として働けない現実があるんですよ。

 「とにかく大学に行かなければいけない」という価値観は1970〜80年代にかけてできたと思う。それが30年経たずに、崩れてしまった。

 今は早稲田大学や慶應義塾大学に入学しても、自分が夢に描いた会社に就職することは難しいですから。「じゃあ、どうすればいいの?」というタイミングに来ているんですよ。

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