ニュース
東電からお知らせが届いたけど……「太陽光促進付加金」ってナニ?(2/2 ページ)
東京電力から届く電気使用量のお知らせの中に、「太陽光促進付加金」という項目があるのをご存じだろうか。あまり知られていない、この付加金について調べてみた。
各世帯の負担増は確実な情勢
菅直人首相が退陣3条件に挙げ、国会で審議中の「再生可能エネルギー特別措置法」が成立すれば、「太陽光発電促進付加金」は「再生可能エネルギー促進付加金(仮)」に名称変更。負担額はさらに増加し、現在の10倍以上にふくれあがる可能性があるとされる。
同法は、太陽光の余剰電力に限定していた買い取り制度をさらに拡張。買い取り対象を太陽光のほか、「風力」「地熱」「(木材の端材や規格外材を用いる)バイオマス」「水力(ダムを除く)」に広げ、余剰電力だけでなく、事業者などが発電したすべての電気を販売側に有利な価格で、電力会社が買い取らなければならないようになる。
こうした動きを当て込み、通信大手「ソフトバンク」は6月の株主総会で、事業内容に電力事業を追加。孫正義社長が全国35道府県を巻き込んだ「自然エネルギー協議会」を立ち上げ、メガソーラー(大規模太陽光発電所)建設に向けた模索を始めている。
普及に弾みがつく一方、各世帯の負担額が増えることは確実な情勢で、経産省では「1世帯あたり、最大でも月150円を超えない範囲にとどめたい」としているが、それでも負担は現在の10倍以上。
国が決定する買い取り金額も「設置者が損をしないような価格設定にする」(経産省)とするのみで、具体的な買い取り額については法成立まで未知数だ。
国民に新たな負担を強いる制度だけに、納得のできる説明が必要といえそうだ。(伊藤鉄平)
関連記事
- なぜ信用できないのか? 政府が発表する原発情報に
原発事故を受け、日本全体が揺れている。国民の多くは「政府の言っていることが信用できない」と不信感を抱いているが、なぜこのような事態に陥ったのか。この問題について、原口一博議員と武田邦彦教授が語り合った。 - 日当9000円――なぜ原発で働く人の賃金は安いのか
原発で働く下請け労働者の賃金は、高くない。震災前、ハローワークに出ていた求人票には「日当9000〜1万1000円」と書かれていた。被ばくの危険性が伴うのに、なぜ原発労働者の賃金は安いのだろうか。『週刊東洋経済』の現役記者が、その理由を明らかにした。 - 福島第一原発の復旧バイトに申し込んでみた
東日本大震災での津波による事故で、危機的な状況となっている福島第一原発。復旧のための作業員を募集していたので、応募してみた。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.