コラム
カーシェアリングと自動車販売の意外な関係――MINI + タイムズプラスは、なぜ実現したのか:神尾寿の時事日想・特別編(4/4 ページ)
クルマを所有するのではなく、借りて使う。昨今の「クルマが売れない」風潮の一端として語られることが多いカーシェアリングだが、BMWはパーク24と協力して「MINI」を展開、大きな手応えを得ているという。
カーシェアリングがカーライフの入り口に
クルマが憧れだけで売れる時代はすでに終わっている、と筆者は思う。クルマが自分の生活においてどれだけ価値がある存在かが分からない人に対して、いきなり100万円以上の高額商品を買わせようというのは、今の時代に合わなくなってきているのだ。
そのような中で、カーシェアリングと自動車販売の連携は、今後、新たな「カーライフの入り口」になる可能性がある。低コストでまずはクルマを使う生活を始めてもらい、そこで必要性を感じたり、クルマを所有したいと感じるほど気に入ってもらったら、クルマを購入してもらえばいいのである。こちらの方が「若者のクルマ離れだ」と嘆くよりも健全であり、多くの人にクルマの魅力を伝える取り組みになるだろう。日本の自動車市場を活性化し、自動車文化の継続と発展を考えるならば、少しでも多くの人がクルマを体験して魅力が感じられる「利用環境を作ること」が大切なのである。今回のタイムズプラス + MINIのコラボレーションの、新時代のカーライフスタイルの嚆矢ともいえるだろう。
新しい自動車ビジネス、新たなカーライフの在り方として、パーク24のタイムズプラスは、今後さらに注目しておく必要がありそうだ。
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