為替ニュースが難しい……まずは三大通貨の関係を理解しよう:南はるなのFXのヒミツ(3/3 ページ)
米国の景気がどのように日本の円高に結びついているのか、よく分からない――。そんな人も多いのではないでしょうか。実は世界の三大通貨の関係を理解すると、グッと分かりやすくなりますよ。
国際市場で自由に取引できない「人民元」
現在は三大通貨のいずれも元気がない状態ですが、今後これらに代わる通貨はないのでしょうか。国際市場で他の通貨と自由に取引ができる通貨は、三大通貨以外にも英ポンドや豪ドル、加ドル、スイスフランなど多数ありますが、為替市場で影響力を持つためには、さまざまな条件を満たす必要があります。
まず十分な市場規模(取引高)があることは必須条件で、ここがクリアされていなければ世界的な需給のバランスを吸収することができません。また、国としての世界経済への影響力の大きさ、貿易量の大きさ、通貨価値が安定していること、各国の外貨準備金として認められていることなどが挙げられます。英ポンドや豪ドル、加ドル、スイスフランなどの通貨の取引高は、いずれも世界市場のうち数パーセントほどであり、三大通貨とは大きな開きがあります。
最近では、中国がGDPで世界第2位となり、その動向は世界経済に大きな影響を与えるまでになっていますので、人民元に注目されている人もいるでしょう。確かに中国の経済成長は著しいのですが、人民元はまだ規制通貨とされており、国際市場で自由に取引することができません。ただし、中国の動向は、貿易の関係が深い米ドルや豪ドルの相場変動に反映されています。
こういった点から考えてみると、米ドル中心の為替市場の図式はそう簡単には変わらないと思われます。日本においては、政局が大きく変化していますが、このまま円高が続くのかどうか、今後も経済ニュースからは目が離せない状況が続きそうですね。
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