首相官邸Webサイトは進化するか:誠 Weekly Access Top10(2011年8月27日〜9月2日)
首相がメディアに頼らず、直接自分の言葉を広く発信できる首相官邸Webサイト。過去の首相交代時には大幅にリニューアルされたこともあったが、今回は特に大きな変更はないようだ。
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先週最も読まれた記事は「“野田首相”で、サラリーマン家庭はどうなる?」。2位は「35歳になった時に心得ていないと、ヤバイこと」、3位は「7割読めたらサイを投げよ!――『七放五落十二達』の法則」だった。
菅直人氏の後を継いで、9月2日に正式に首相に就任した野田佳彦氏。就任会見では東日本大震災からの復旧・復興を訴え、菅氏と同じく外国人献金問題なども浮上しているが、期待感から内閣支持率は高くなっているようである。
新内閣発足にともない、大臣が交代する省庁では引き継ぎ式が行われたのだが、筆者が気になったのは首相官邸Webサイトの引き継ぎ。
メディアに頼らず、直接自分の言葉を広く発信できる首相官邸Webサイトの役割は非常に重要。次画像のようにInternet Archiveから抜粋した過去の推移を見ると、「自民党をぶっ壊す」と言った小泉純一郎氏や、その次の安倍晋三氏、政権交代を果たした鳩山由紀夫氏が首相に就任した時には大きくサイト構成が変わっていることが分かるだろう。「新しいことをやろう」「自分がやることを広く知ってもらおう」という心意気がそこに現れていたと思うのである。
では、野田内閣になって首相官邸Webサイトがどう変わったかというと、↓である。
菅氏のブログが外れて、基礎的なものが残っているだけのように思える。東日本大震災と東電福島原発の問題は恒常的なものとなっているので、リンクデザインを多少変えた方がいいのではないかとも思うのだが、現在のところ変更はないようだ。
過去数代の首相はメルマガやブログなど、自身の声を直接伝えられるコンテンツを用意していたのだが、まだ存在しない。内閣官房内閣広報室の担当者に聞くと、「首相官邸Webサイトの大幅なリニューアルは指示されていない。ブログはやるかもしれないが、いつからやるかといったことはまったく決まっていない」とのこと。
今は就任直後で好意的なメディアも多いのだが、何かあってバッシングを受けるようになると、悪意のある報道がされ、本意を伝えられなくなることもあるだろう。問題山積で非常に忙しいとは思うのだが、今のうちに直接発信する仕組みを整えておくべきじゃないかなあと感じるところである。
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