検索
速報

昨日の反動やユーロ安を嫌気して売り急ぐ動きもあって大幅下落清水洋介の「日々是相場」夕刊(2/2 ページ)

PC用表示
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

明日の相場雑感

 米国株が堅調となったことから買い先行となりました。ただ、為替が円高気味ということや外国人が引き続き売り越し基調ということで上値も重く上値の重さが嫌気されるとじりじりと値を崩し、ユーロが一段と安くなると機械株やハイテク株の一角を中心に売り急ぐ動きとなって大幅下落となりました。相変らず手掛かり難のなか、買われたものが売られ、売られたものが買われる動きもみられたのですが、買い気に乏しい相場でちょっとした売りに値を崩すものが多かったような感じです。

 先日もこのコラムで述べましたが、ここまで市場が低迷していると「塩漬け」となっている株も多いのではないかと思います。個人投資家の方の塩漬け銘柄をみていると、「良い銘柄」や「割安感が強い銘柄」が多くなっています。いわゆる「仕手株」や「材料株」といわれるもの、業績の悪い銘柄であれば売ってしまうことが出来るのですが、なまじ「良い株」であるだけにこの水準では売り難いということも事実です。

 実際に銘柄を入れ替えるにも、例えば今期も来期も増収増益予想で予想PER(株価収益率)がひとケタ台でPBR(株価純資産倍率)が1倍を割れていて、予想配当利回りが2%となれば、「相場が良くなればいの一番に戻るだろう」と考えても不思議はありません。そんな銘柄をここでさらに下落するとみて手放すというのもなかなか難しいのではないかと思います。割高銘柄であれば売られる根拠があるのですが、割安銘柄であれば根拠に乏しいということになってしまいます。

 それではどうすればいいかというと、テクニカル的に割安・割高を見る、特に短期のテクニカル指標で見てみるというのも一つの方法ではないかと思います。極端な話、業績面ではまだ割安だが、10日間連騰して、RSIもストキャスティックスも「過熱」を示している場合に一旦手放し、同じ指標で「売られすぎ」を示した時に買い直すということも考えられます。これを繰り返すことで少しずつ損を取り戻すということも出来そうです。

清水洋介氏のプロフィール

慶應義塾大学法学部卒。1983年に大和證券に入社、以来、マネックス証券、リテラ・クレア証券で相場情報などに携わってきた。営業やディーラーの経験を基に、より実戦に近い形でのテクニカル分析、市場分析に精通している。日本証券アナリスト協会検定会員、日本テクニカル協会会員。著書に『江戸の賢人に学ぶ相場の「極意」 』 (パンローリング)、『儲かる株価チャート集中セミナー』(ナツメ社)。清水洋介の「株式投資の羅針盤


※掲載されている内容は、コメント作成時における筆者の見解・予測であり、有価証券の価格の上昇または下落について断定的判断を提供するものではありません。
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る