コラム
白熱電球販売禁止! EUの家庭用ランプ事情:松田雅央の時事日想(2/2 ページ)
欧州でも白熱電球から省エネランプへの切り替えが進んでいる。省エネランプの普及に取り組む姿勢は日本と同じだが、その手法は違う。電力消費量を削減するために、欧州ではどのような取り組みを見せているのだろうか。
電球型蛍光ランプからLEDランプへ
現在、ドイツで主流になっている省エネランプは電球型蛍光ランプ。通常の蛍光灯同様、暖かい色合いの電球色と、事務に適した白色などが用意され、大きさやデザインもバラエティーも豊富。しかし、電球型蛍光ランプの普及は日本より多少遅れ気味だったように感じる。これだけ環境保全と省エネに厳しい国で少々不思議に思えるが、蛍光灯に馴染みが薄かったことが影響していたようだ。
まず、ドイツの住宅では日本のように蛍光灯を照明に使う習慣がなかった。ドイツ人は建物の内装にうるさく、日本人に比べると室内照明に凝る人が多い。室内の雰囲気に合わせて白熱電球やハロゲンランプを使うのが一般的だった。
また、蛍光物質に含まれる水銀の健康被害を心配する声もある。しかしその量はごく微量のため、誤って電球型蛍光ランプを割ってしまっても健康上の問題はない。いずれにしろ、蛍光灯、電球型蛍光ランプは特殊なゴミとして回収されている。
電球型蛍光ランプに続きLEDランプの販売も始まっているが割合としてはまだ小さく、筆者自身、小売店以外で実際に使われているのを見たことがない。商品の種類が少ないほか、電球色のLEDランプがまだほとんどなく、室内照明として好まれないという事情もある。しかしこれは技術上の課題なので早晩適した商品が登場するはずだし、全体としてみれば環境性と寿命の長さから家庭用の照明にもLED電球が普及しそうだ。
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