検索
コラム

“中抜き取引”は増えていくのか? 未来の住宅選びあなたはどうする? 住まいの選び方(1/4 ページ)

「不動産業者に支払う仲介料が高いなあ」と感じたことがある人も多いのでは。いわゆる“中抜き取引”であれば、こうしたお金は不要になるが、なかなか日本では浸透していない。そこで直接取引が進んでいる米国の事例を紹介し、そのメリットとデメリットを考察する。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

権田和士(ごんだ・かずひと)のプロフィール

早稲田大学卒業後、インタープライズ・コンサルティング(旧日本エル・シー・エーに入社)。現在は同社で執行役員。住宅業界向けコンサルティングで、日本最大規模の実績を誇る住宅不動産事業部の事業部長を務め、これまで50社以上の支援を行う。1年間のうち、300日以上講演や研修を行い、その研修生は年間でのべ4000人以上に及ぶ。住宅・不動産業界の未来を見据えた業界動向のほか、全国各地の工務店やデベロッパー、ハウスメーカーの個別事情に精通している。

また住宅業界の専門誌などで、数多くのコラム連載を行っている。経営コラム「住宅業界を斬る!」を連載中。


 卸業者や問屋といった中間業者を省いた、いわゆる“中抜き取引”が増えている。

 インターネットの普及により、野菜やお肉といった食料品を直接生産者から購入したことがある人も増えてきているのではないだろうか。書籍に関しても著者と読者が取次や書店を介さずに、買うことができる。iPadなどのタブレット端末といったデバイスの進化も、直接取引の流れを後押ししていると言えるだろう。

 実は、住宅業界にもこの「中抜き」の事例がどんどん増えている。

 例えば、賃貸、購入いずれにせよ不動産会社に頼めば「仲介料」というものを払う必要があった。しかし、最近では仲介業者に頼らずに物件を探せるインターネットのサイトが増えている。3000万円のマンションを購入する場合、100万円近くの仲介料(3%)がゼロになるのである。その分を中古であればリフォーム費用にあてたり、新築であればインテリアやガーデニングの費用などにあてられる。


仲介業者に頼らずに物件を探せるサイトが増えている(写真と本文は関係ありません)

 では、今後の住宅選びにおいて、直接取引はどこまで進展していくのだろうか? そのヒントを得るために「C to C(消費者間の直接取引)」※の先進国である米国の事例を基にしながらひも解いていきたい。

※「C to C」とは、例えばインターネットオークションによって直接、消費者同士がモノの売買を行っているように、消費者同士が直接取引を行える形態を指す。業者を全て取っ払った究極の「中抜き」と言える。
       | 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る