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除染活動、現場ではナニが起きているのか(5/5 ページ)
福島第1原発事故による放射性物質の汚染が、首都圏でも広がりを見せている。人体への影響を食い止めるために、除染活動をどのように行えばいいのだろうか。福島県南相馬市で除染活動を行ってきた、ひとりの医師の声を紹介しよう。
除染活動のポイント
――除染を行う上でのポイントを教えてください
坪倉氏:まず、ありとあらゆる場所を計測することだ。私は、この1点につきるのではないかと思っている。どのように除染すればいいのか、どのように内部被ばくを防げばいいのか、いろんな問題がある。しかし計測ポイント、計測する回数をできるだけ増やさなければこの問題の解決策は生まれないだろう。
除染の技術は必要かもしれないが、線量を測定する技術を向上させることのほうが大切。この技術を個人レベルで向上させることが、今後の除染のカギを握るのではないだろうか。
南相馬市全体を除染できればいいのだが、簡単にできるものではない。自分がいる場所から半径何メートル以内をいかにきれいにしていくか。今の段階では、それをしっかりしていくことが大切だと思う。
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