インモビ・ジャパン天畠社長に聞く、モバイル広告市場の未来(3/4 ページ)
急速に拡大するモバイル広告市場でアドネットワークを展開しているインド発のベンチャー企業、InMobi(インモビ)。9月にソフトバンクから2億ドルの出資を受けたことが話題ともなったが、インモビ・ジャパンの天畠秀隆社長にモバイル広告市場の現状と未来を尋ねた。
1〜2年後に世界のモバイル広告は1兆インプレッションに
――モバイル広告市場の規模は世界全体でどのくらいですか。
月間2000億インプレッションくらいじゃないですかね。
――将来的にどのくらいまで増えそうですか。
今はそんなに中国とかがカウントされていないですからね。中国は異常な勢いでスマートフォンが伸びているので、そういうのをカウントすると、1〜2年でその5倍(月間1兆インプレッション)はいくポテンシャルはあるのではないでしょうか。PCでも全世界だと、そのくらいありますよ。
こういう話をすると「ホラを吹いている」となるのですが、でもだいたいそのホラが半年後にはウソじゃないって話になるんですよね。
――新規プレイヤーでも既存プレイヤーを簡単に抜けそうな感じがしますね。
この業界は勝つ時も早いですけど、負ける時もあっという間なので、何とも言えませんね。ただ、アドネットワークというビジネスのポイントは、技術だけじゃないんですね。グローバルスケールで展開することで、広告主のネットワークをどれだけたくわえられるかということがあります。
今からグローバルスケールでやろうとしても、そんなに簡単に出て来れないと思います。例えば、ミレニアムメディアが新たに日本や欧州でオフィスを作ろうとしても、多分3〜6カ月かかるんです。もう、3〜6カ月待っていられるフェーズではないので、僕は無理だと思いますね。
ただ、違った形のプレイヤーというのが必ず出てくるので、それはもうしょうがないですよね。PCのアドネットワークで1番だった会社が、スマートフォンの世界でも1番になれるかというと分からない。
――インモビのパートナーメディアにFacebookは入っていないですよね。
FacebookやTwitterは自分で広告ビジネスをやりたいメディアですからね。でも、周辺アプリはたくさんパートナーメディアに入っているんですね。今やFacebookやTwitterより、その周辺プレイヤーの方がトラフィックが大きいんです。
例えば、日本のタブレット上で一番トラフィックを発生させている『TweetCaster』は、インモビのパートナーです。SNS系はクローズドな世界をもともと目指していないので、周りのエコシステムを(パートナーメディアとして)固めればいいので。
――先ほど1〜2年で月間1兆インプレッションくらいに伸びるとおっしゃいましたが、その中で一番伸びるのは中国ということですか。
中国のほかに、日本も大きいでしょうね。アジアは市場としてはフィーチャーフォンのイメージが強いと思うのですが、インドもインドネシアもものすごい勢いでスマートフォン化しています。香港や台湾もすごいですし、韓国も多分新規はスマートフォン比率が50%を超えているのではないでしょうか。
さらに特徴があって、韓国はAndroid一色。9割はAndroidで、週次データを見るたびにiOSのシェアが下がっていますね。一方、中国はiOSです。中国では意外と、日本製アプリが使われていたりします。
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