コラム
会社にぶら下ってはいけない……は信じていいのか:吉田典史の時事日想(4/4 ページ)
「上司や会社からの評価なんて関係ないよ。会社にぶら下ってはいけない」という人がいる。しかしこれは本当なのだろうか。むしろ上司とうまく付き合い、会社内での評価を高めることのほうが大切なはずだ。
後ろ盾
上司が部下の後ろ盾になるという発想にも疑問を感じる。上司は部下を自らの出世のためにいいように使うことは見かけることだが、「後ろ盾」と言えるほどのバックアップをするのかどうか、疑わしい。そこまで部下をけなげに守る上司を私は見たことがない。
そんな 考えを持つ 彼が口にする、「20〜30代の会社員は会社にぶら下がるな……」というセリフを私はうさんくさいと思えて仕方がない。私が20〜30代の会社員に言うならば、こんなことだ。
「会社の人事は、不公平の連続。そのとき、もっとも頼りになるのは上司。上司の支援を常にもらえるようになりたい。そのためにも、上司が納得する仕事をしよう。そして同世代の中でトップグループの評価をもらいたい。
ただし、上司は感情を持った生き物。部下が自分以上に台頭することを許さないし、嫉妬もする。そんな上司をうまく利用しつつ、自分の評価を上げてもらえるように力を尽くすこと。上司を動かす力は、転職後も独立後も求められる。そこまで踏み込んで考えて、自分を磨いていこう。」
あなたは、彼と私とどちらのとらえ方に共感するか。
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