富士経済は11月22日、清涼飲料市場の調査結果を発表、2011年の市場規模を前年比1.5%減の4兆7984億円と見込んだ。東日本大震災の影響で、工場が被災した企業が多くあったことが影響したという。
主要カテゴリ別にみると、前年比5.7%減の炭酸飲料を筆頭にほとんどのカテゴリが前年比減。唯一、ミネラルウオーター類が同17.3%増の3031億円と前年を上回った。富士経済では「東日本大震災による福島第一原発事故の影響で、東北・関東地区を中心に生活水としてのミネラルウオーターの需要が急激に高まった」とコメント。最需要期の8月は昨年ほどの猛暑でなかったことから前年同月比マイナスとなる企業が相次いだが、通年では上期に緊急増産を行ったことから前年実績を上回ると予測した。
一方、2010年に前年比44.5%増と大きく成長したゼロ系飲料※は同15.0%減の1822億円と一転して減少する見込み。その理由として、富士経済では「5年間続いたゼロ系飲料ブームに陰りが見られるほか、震災の影響から各社がゼロ系以外の基幹ブランドに絞り込んで生産を行ったため」と分析している。
※ゼロ系飲料……糖類、カロリー、脂肪、塩分、カフェインなどをカットしてこれらがゼロであることを訴求した飲料。カロリーの場合、日本の栄養表示基準では100ミリリットル当たり5キロカロリー以下ならゼロカロリーと表示できる
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