なぜ成功した人は、感謝の気持ちを口にするのか:悩むビジネスパーソンへの“処方せん”(3/3 ページ)
「自分を支えてくれた人に感謝したい」――。スポーツ選手が成果を出したときに、よく聞く言葉である。ではビジネスの世界でも同じことが言えるのだろうか。本コラムでは「成果創出と感謝の気持ちの関係性」を考えたい。
「感謝の気持ち」のアンテナを高める方法
人間関係だけでなく、成果創出という点においても「感謝の気持ちを持ちたい」という人も多いのでは。しかし「周囲への感謝の気持ちを持とう」と、ただ意識するだけでは変化が起きないのも現実である。
次に、感謝の気持ちを高める具体的な方法を紹介したい。
ある会社では半期に1度、全社員で「ありがとうカード」を書くタイミングを作っている。「ありがとうカード」とは、自分がサポートをしてもらったと感じる社内の人に対して、「感謝の気持ち」を一言書いて渡すカードである。そして、この会社では半期ごとの全社集会で「ありがとうカード」に基づいた表彰式を行っている。
ここで重要なのは多くの「ありがとうカードをもらった人」を表彰するとともに、多くの「ありがとうカードを書いた人」も表彰し、賞賛の対象とすることである。多くのカードを書けるということは、周りの人のサポートを感じ取ることができている証拠でもあるからだ。会社がこの賞を設定したことで、普段から“感謝の気持ち”といったアンテナを張り巡らせる人が増えていったのである。
周りの人への「感謝の気持ち」が大事なのは当たり前と感じながらも、なかなかその意識を持てずにいる人や組織は多い。物事で成果を出すために感謝の気持ちを持つ、というのは少し打算的に感じるかもしれないが、「感謝の気持ちを持つべき」という正攻法だけでは変わらないのも事実である。
まずは「最近の自分自身の成果」を思い出し、「周りの人がいかにサポートしてくれたか」を客観的に振り返ろう。そうすれば「感謝の気持ち」を持つことへの、第一歩となるのではないだろうか。(インタープライズ・コンサルティング、関厳)
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