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3.11後の景色は「もう見だぐねぇ」……被災地で聞いた生の声相場英雄の時事日想(2/5 ページ)

大震災が発生してから、8カ月が経過した。被災地でのがれき処理は進んでいるが、仮設住宅で暮らす人たちの心のケアは後回しにされてきたのではないだろうか。11月下旬、筆者は3カ月ぶりに宮城県石巻市に足を運び、被災者たちの声を聞いた。

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 当欄の震災ルポで触れた雄勝町の中心部も格段にがれきの撤去が進み(関連記事)、地元住民向けの仮設商店街も営業を始めていた。雄勝町の中心部からクルマで10分ほど女川町方面に走ると、今度で3度目の訪問となる水浜地区だ。

 大半の家屋が流され、600年以上続いた集落の自治会組織が解散を決めた海と山に挟まれた地区でもある。


石巻市雄勝町水浜地区(4月)

 水浜地区に触れたルポ(関連記事)でお世話になった地区のまとめ役、定年退職した元教員のAさんを仮設住宅に訪ねた。

 水浜地区の仮設住宅は当初、石巻市全域の被災者が入居対象となった。1回目の抽選では同地区に留まることを決めた3世帯しか入居できないという異常事態に直面、集落の絆が完全に断ち切れる寸前だった。

 その後、新たに石巻市の入居方針が変更され、希望する水浜地区の大半の住民が6月初旬に入居を果たした。

 折しも筆者が訪れた際は、厳冬に備え、仮設住宅の壁に断熱材を追加する工事が行われている真っ最中だった。


雄勝町水浜地区の仮設住宅(11月)。幹線道路に近い地区の高台に設けられている

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