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中高年と若者との会話が、噛み合わない理由:津田大介×鈴木謙介、3.11後のメディアと若者(4)(3/4 ページ)
会社にいる年配の人たちと話をしていて「会話がうまく噛み合わないなあ」と感じたことがある人もいるだろう。その原因はどこにあるのか? 社会学者の鈴木謙介さんとジャーナリストの津田大介さんが分析した。
津田さんが作りたいメディア
津田:僕が作りたい政治メディアでは、自分がオピニオンを提示するのではなく、そこにある問題を整理して記事にしていきたい。そして読者は記事を読んで終わりではなく、まず考えてもらう。考えてもらい、次にアクションを起こしてもらいたい。そのアクションにつながるようなメディアを作りたいですね。
鈴木:どうやって「How」を起こさせるか、という点ですね。
津田:そこの設計のアイデアを、今、一生懸命考えています。
鈴木:具体的にはどんなアクションを起こしてほしいですか。
津田:デモかもしれないし、パブリックコメントかもしれない。もしかしたら違うやり方があるかもしれない。
「社会というのは、どうようにすれば変わるんだろう」と考えている人も多いのではないでしょうか。橋下徹さんが大阪市長選に勝利したのは「彼なら何かを変えてくれそうだ」と感じた人が多かったからだと思う。
鈴木:なるほど。
津田:今、さまざまな問題がありますが、それについての記事を発表する。そしてアクションを提示して、読者がネット上で正しく騒げるようなメディアを作れればいいなあと思っています。
鈴木:面白いですね。中高年の世代は「不完全なモノを出してはいけない」という人が多い。なぜならバグなしのパッケージを出すことに意味があった時代に育ったから。バクなしのモノを出す人がえらく、重箱の隅をつつくようなバグを発見する人が「頭がいい」と思われていた。
津田:ふむ。
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