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なぜ若者はクルマから離れていったのか:津田大介×鈴木謙介、3.11後のメディアと若者(7)(2/5 ページ)
若い世代の間で“クルマ離れ”が進んでいる。クルマを買わないどころか、免許すら持っていない人も少なくない。なぜ若者はクルマに興味を示さなくなったのだろうか。ジャーナリストの津田大介氏と社会学者の鈴木謙介氏が語り合った。
クルマはモテるアイテム?
津田:クルマはモテるアイテムでなくなったというのは、本当にそうなんでしょうか? クルマは送り迎えなどでも女性にとって便利だし、経済力のある人たちにとっては、今でもステータスになると思います。
鈴木:経済力のある人はそうかもしれませんが、今の若者はちょっと違う。ネットスラングでいう「ただしイケメンに限る」じゃないですけど、「クルマに乗っているからモテる」ではなく、「モテる奴がクルマに乗っているだけ」という面も大きいですよね。
実際、「最近の男ってクルマの免許も持ってないんでしょ?」って同世代男子を非難してた男の人が、女性たちからフルボッコにされているのを見たことがあります。彼の背後にある、ある種の男性優位主義が「クルマ」への価値観から透けて見えてしまったんですね。
一方で「痛車」に見られるように、クルマをどのように自己表現の手段にするか、というカスタマイズの方向も多様化している。その自己表現は、別に「彼女を助手席に乗せる」というものだけに限られるわけではない。漫画などでは1980年前後から、マシンを媒介にして、男と女の関係を描き始めたと言われています。しかし、現実はもっと先を走っているのではないでしょうか。
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