ビッグデータに過剰な期待を持つな(2/2 ページ)
ビッグデータ、大量データが戦略を決める、と言われているがユーザーは過剰な期待を抱くべきではない。明確な目的がなければ、膨大なデータに振り回されることにもなりかねない。
ビッグデータに話を戻すと、その大量データのなかから情報を抽出する場合、その情報は「有益」なものか、または「有益なものに関連」している必要がある。何が有益かの判断を行うのは人間である。大量にデータが増えれば、比例的にとは言わないまでも、それがもたらす情報量も増えてくるだろう。ただし、ビッグデータを集めてデータ量だけ増やしても、「価値のある」情報を見つける確率が増えるとは限らない。むしろ減るのではないだろうか。
ITは生産性向上のためのツールの1つに過ぎない。企業がITに投資するのは、確実に投資コストを上回る利益が得られると分かっているからではなく、そうなるだろうと信じているからである。お客さまがわが社から ソフトウェア製品やそれに付随するサービスを購入して下さるのも、必ず価格を上回る価値が得られると分かっているからではなく、弊社が言うことを信用して下さるからである。
ビッグデータの活用で、ビジネスが革命的に変わると期待することは危険である。物やサービスを購入する人々はほとんどが、売る側の宣伝を信じてそれを購入する。IT産業やメディアが情報技術について誇大広告をすればするほど、お客さまも商品やサービスに過剰な期待を抱き、結果として提供側はその過剰な期待を満たせない可能性が高くなる。過剰な売り込みや誇大広告は、実体のないバブルを作り出し、そのバブルはいかなるバブルもそうであるように、必ず崩壊する運命にある。(トッテン ビル)
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