“変化”を好む人、嫌う人の違いとは?:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
「変化」という言葉には、「新しい」「既成概念からの脱却」といったポジティブなイメージを持つ人がいる一方、「安定していない」「ぶれる」といったネガティブなイメージを持つ人もいます。その2者の違いはどこから生まれるのでしょうか。
「変化のワクワク」を実際に体験したことがあるか
ちきりんは、この「変化すること」「変化スピードが速いこと」をポジティブに考えるかネガティブにとらえるか、という違いは、その人が楽観的か悲観的か、ということや、その人が今いるポジションが相対的に有利な場所かどうか、によるのではなく、「変化のワクワク」を実際に体験したことがあるかどうか、に依存していると感じています。
だから一度、変化を体験した人はどんどん新たな変化を求めるようになるし、変化を経験したことのない人はそれをどんどん怖がり始めるのです。
一生、変化を避けて生きていけると思うなら、できるだけそれを避けるのも1つの選択肢かもしれません。でも、もしも「これからの世の中、変化は必然!」と思うなら、早めに(若いうちに)大きな変化を経験しておくのは悪い話ではありません。早めに経験しておけば「変わることを恐れない、むしろ楽しめる人」になれる可能性が高くなるからです。
「変化を楽しめる人」「先が見えないことにワクワクできる人」と「変化を恐れる人」「先が見えないと不安で不安で、という人」。
みなさんにとって、5年後や10年後の自分の姿が今から見えていることは「安定していて好ましい」人生ですか? それとも「退屈でつまらない」人生でしょうか?
想像もつかないことが未来の自分の人生に起こるのは耐えられないことですか? それとも、「今は想像もできていない未来」にワクワクし、その中で翻弄される自分の人生さえ楽しみに思えたりするでしょうか?
自分の子どもに「定年まで見えている安定した生活」を用意してあげたいと考えますか? それとも……?
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」
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