「従軍慰安婦」抗議からみえる、日本で起きるデモの未来(前編):ニッポンの紛争地帯をゆく(4/4 ページ)
抗議デモを「参加者目線」でレポートしていく本連載。4回目は「従軍慰安婦」問題へ抗議する人々に密着する。テレビでは「右翼団体ら」と報じられた彼らの姿から、「日本の抗議デモ」の未来がみえてきた。
「おい! そこのおまえ!」
やがてトレンチコートの男性が、拡声器を持った。「在特会」の桜井誠会長である。
「もう学術的には慰安婦問題は決着がついているんだよ! それを今になって強姦だった強姦だったってね。これを許したら50年後に必ず、今新宿とか鴬谷とかで股を開いている朝鮮人ね、あれは強姦だったと言い出しますよ! 今みなさんの子ども、孫が我々のように罵られる。だから絶対にここで止める!」
集団から「そうだ!」「うそつきは死ね!」などど罵声が次々とあがる。桜井会長はたたみかけるように「おまえらも自分たちの名誉をかけて日本を罵るんだろ? だったら逃げるなよ」などと挑発するも、「人間の鎖」のみなさんは相変わらずノーリアクション。
これはいったいどういうことかと「人間の鎖」側の様子をうかがっていると、ひとりの若者が私を横目で見ながら、隣の長髪男性にヒソヒソとやっている。
「おい! そこのおまえ!」
「はい?」
長髪男性がものすごい怒りの表情で私に向かって突進してきた。瞬時に、警官が取り押さえる。気が付けば、なぜか私も若い警官に取り押さえられている。
「ね、ね……あちらもかなり気がたってますから。撮影は止めてあげてください」
耳元で必死に説得する若い警官。うーむ、「左翼」のみなさんはいろんな活動をされている人も多いので、「取材お断り」が多いのはもちろん知っていたが、ここまでピリピリしているとは。
「在特会」の挑発など気にかけてないように見えたが、実はいつブチキレしてもおかしくない状況なのかもしれない。
激しい言動とともに怒りを全面に押し出す「右翼」。内にマグマのように怒りをたぎらせる「左翼」。この2つが直接衝突したらいったい何が起きるのか?
(続く)
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
関連記事
フジテレビをデモる人が狙う、“次の標的”ってどこ?
抗議デモを「参加者目線」でレポートしていく本連載。今回は最近の“デモブーム”の火付け役ともなったフジテレビ抗議デモに密着した。今夏にお台場をシュプレヒコールとともに席巻したあの人々は、今どうしているのだろうか。
知ってる? 韓国大使館への抗議で、やってはいけないこと
世界中で、今、抗議デモがアツい。“怒りの現場”に潜入して、参加者目線でリポートしていく本連載。2回目は「韓国大使館」だ。フジテレビや花王の「反韓流デモ」が注目を集めているが、本家本元への風当たりはどうなのか、現地へ行ってみた。
なぜ中国大使館前の抗議は「定員5名」なのか
いま「抗議デモ」がアツい。ウォール街の暴動は世界に広がり、日本にも上陸した。これは「内乱の前兆」なのか、それとも「一時的な流行」なのか。そこでマスコミが報道しない“怒りの現場”ではナニが起こっているのかを確かめるべく、中華人民共和国の大使館へ行ってみた。
