最近の若者は、リーダー論をどこで学ぶのか:ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か(6)(1/4 ページ)
「女性スキャンダルまみれ」で「ハレンチ市長」と命名された、前横浜市長の中田宏氏。もしタイムマシンがあって、横浜市長に就任した当時に戻れるとしたら……中田氏はどのような行動に出るのか。
ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か・バックナンバー:
→大阪の未来はバラ色か? 橋下市長にふりかかる困難【特別編・前編】
→なぜ橋下市長は「大阪都構想」を打ち上げたのか【特別編・後編】
→【第1回】“でっち上げ記事”を書かれたら、どうすればいいのか
→【第2回】日本は破たんするのか? そうはさせない人間の思考回路
→【第4回】公務員が、市長に「死ね!」というメールを送るワケ
公務員にとって、“ありがたい市長”
ちきりん:もしタイムマシンがあって、横浜市長になった37歳に戻れるとすれば、今度はああいった酷い攻撃にどう対応されますか(関連記事)※。今の知識と経験値を持って、市長になったらナニが起こるのかを理解したうえで当時に戻れたら、今度は何か違うやり方がありますか。
中田:コミュニケーションのとり方のほかに、「こちら側の層」をたくさん作る必要があるでしょうね。
ちきりん:こちら側の層というのは?
中田:まずやることは変わりませんよね。財政を立て直すためには、さまざまなことについて見逃すわけにはいきません。利権構造を改めたり、無駄と思えるものを削ったり、予算配分に優先順位をつけたりということは同じです。結果として、利益を失う人の心象を悪くしてしまうでしょう。だけど、これは仕方がない。
こちらの層を作るというのは、情報を発信するのが僕ひとりだけではダメだということ。プラスアルファーでもダメだと思っています。もっと面的に対応しなければいけないでしょうね。
ちきりん:事実をきちんと伝えるために、組織や人の体制を作るということですね。
中田:また「つけ込まれないようにするために」というのもありますね。当時も、自分の脇はしめていました。当然、お金にからんだ不正などを働いたことは一度もありません。
ただ「自分はこんなことはやっていない」と1人で訴えても、なかなか伝わらない。でも本人以外の人が言うことによって、説得力は増すはず。なので、もしタイムマシンに乗って横浜市長時代に戻れるのであれば、こちら側の層を厚く作って改革を展開していきたいですね。
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