「会社のために……」という時代は終わり:ちきりんの“社会派”で行こう!(2/2 ページ)
かつての日本企業は、「会社のために行った不正行為が発覚した社員」を守る傾向にありました。しかし、「もう、そんな時代ではなくなっているのでは?」と、ちきりんさんは問いかけます。
本当の「ブラック企業」とは
今この瞬間にも「会社のために不正行為をしている個人」はいるかもしれません。民間企業だけでなく公的機関にも、例えば検察庁とか裁判所でさえ、そういう行為をしている人がいるかもしれません。
また、これから社会人になる若い方も、そういった事態に直面する日が来るかもしれません。そういう方に、ちきりんは声を大にして言いたいです。「そんな行為を求められたら、できるだけ早く辞めた方がいい」と。
厳しい労働環境の企業のことを、ネットでは「ブラック企業」と呼ぶことがよくありますが、ちきりんに言わせれば、社員個人に違法な行為をさせてまで利益を上げることに疑問を持たない一流企業こそ、まさにブラックな企業だと思います。
問題はある日突然発覚し、会社はあなたを守ってくれなくなります。人生をかけて会社のために違法行為を続けることはありません。告発する勇気がないなら、静かに離職するだけでもいいのです。
「個人」のモラルが問われる時代です。「会社のために」法を犯し、人生を棒に振るのはやめましょう。
そんじゃーね。
著者プロフィール:ちきりん
兵庫県出身。バブル最盛期に証券会社で働く。米国の大学院への留学を経て外資系企業に勤務。2010年秋に退職し“働かない人生”を謳歌中。崩壊前のソビエト連邦など、これまでに約50カ国を旅している。2005年春から“おちゃらけ社会派”と称してブログを開始。著書に『自分のアタマで考えよう』『ゆるく考えよう 人生を100倍ラクにする思考法』がある。Twitterアカウントは「@InsideCHIKIRIN」。
現在、前横浜市長の中田宏さんとの対談「ちきりん×中田宏、政治家を殺したのは誰か」が連載中です。
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