CSRからCSVへ――トヨタが仕掛ける「共成長マーケティング」とは?(2/2 ページ)
トヨタ自動車は、新型ハイブリッドカー「AQUA」の販売に際し、ちょっと変わったプロモーションを行っている。CSRに代わる新しいマーケティング手法「共成長マーケティング」とは?
共成長マーケティングとは?
トヨタではアクアソーシャルフェスで用いたマーケティング手法を「共成長マーケティング」と名付けている。
共成長マーケティングとは、「企業」「社会」「個人」の三者が、「共に成長する」という関係で結ばれることを意味する。共成長マーケティングを続けることによって、企業にとっては「ブランド思想を理解してもらい、選んでもらえるようになること」、社会にとっては「よりよい自然や環境がもたらされること」、個人にとっては「マーケティング活動に参加して楽しめる、達成感がある」といったメリットがあり、おのおのが持続的にそれを享受できるのがポイントだ。
「普通、車のプロモーションといえば、プレゼンテーションをしたり、CMを流したり、といったものが中心でした。お客様も、基本的には『商品を買う』という形で関わってくることになります。しかし、共成長マーケティングでは、一方的な『提供する』『享受する』の関係でなく、企業も社会も個人も、三者がみなWin-Winで共に成長する関係なのです」(トヨタマーケティングジャパン マーケティングディレクターの折戸弘一氏)
共成長マーケティングは、どのような商品のプロモーションに向いているのだろうか。「個人的な考えですが」と前置きした上で、折戸氏は「共成長マーケティングという手法は、(テレビCMなど)直接的なマーケティングでは届かないものに向いていると思います。新しいもの、中長期的に(プロモーションを)続けたいものでしょうね」と話した。
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