検索
ニュース

海外メディアにあって、日本メディアにないもの河野太郎氏が、原発報道を語る(前編)(4/4 ページ)

原発事故から1年が経とうとしているが、メディアの報道についてどのように感じている人が多いのだろうか。事故前から「核燃料サイクル」を問題視してきた、河野太郎衆院議員が原発報道について語った。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

メディアは検証してほしい

――メディアはこのように報道すればいいのになあ……と思われたことがありますか。何かアイデアなどがあれば、お教えください。

河野:福島第1原発で事故が起きたとき、そして事故対応をしたのは民主党政権。しかし原発の体制をつくってきたのは自民党。最初に原子力を始めたときは「エネルギー危機にどう対応すればいいのか」と真面目にやってきたと思う。だが、どこかの段階でそれが変質して、利権になってしまった。核燃料サイクルはいろんな問題があるのに、それを見ないで突っ走ってきた。このことについて、自民党は反省しなければいけない。

 多くの人は「核燃料サイクルは間違っている」と薄々感じていた。また電力会社でも「原発の最終処分場は止めなければいけない」と話していたのに、最後は進んでいってしまった。このことをメディアは検証しなければいけない。

 自民党内でもこの問題を検証すべきかどうかを議論しているが、メディアも「なぜ自分たちは検証してこなかったのか」を取材すべきだと思う。

 原子力報道については、2つの問題がある。1つは現場を知らない記者が、どう現場に突っ込んでいくかということ。2つめは原子力政策を止めらなかったこと。50年の歳月をかけて、何兆円ものお金をつぎ込んできた。にもかかわらず、「あと40年、高速増殖炉はできません」といった状況だ。このことについては、誰もが「おかしい」と思うはず。誰もがおかしいと思っているのに、なぜメディアは報道しないのか。

 政治家の中にも原発問題について、知識不足の人が多い。例えば「原発がなくなれば、電気が足らなくなる」と、いまだにこんなことを言っている政治家がいる。なぜこういう状況になってしまったのか。メディアにはぜひ、検証してもらいたい。繰り返すが、検証する対象には、マスコミも含まれていなければいけない。

続く

前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る