“依存”ではなく“自立”を、ケニアのエイズ孤児を救うために:世界一周サムライバックパッカープロジェクト(4/4 ページ)
NGO・PLASで、ケニアのエイズ孤児を支援している谷澤明日香さん。2008年から現地で行っている活動では、外部支援への依存心を生まないよう、彼らにできることはなるべく彼らの手に委ねることを意識しているという。
――今後の予定や将来の夢(目標)について教えてください。
谷澤 直近ではケニア事務所や母子感染予防事業の基盤を確立すること。いずれは他国で新事業の立ち上げができたらいいなあと思います。そのためにも、もっと自分の専門性を高めることが課題ですね。
――最後に、国際協力のフィールドを志す日本の若者にメッセージをお願いします。
谷澤 国際協力のフィールドを目指す際、どの分野で働きたいかはもちろんですが、どういったポリシーやアプローチ方法をとっているか、そしてそれが自分の信念に合うかどうかを確認することがとても重要だと思います。
そこで、もしピンとくるところがなければ、ピンとくるものを自分で作ってしまえばいいのです! やらずに後悔するのはもったいないですので、一度きりの人生を楽しみましょう!
依存ではなく自立
僕はNGOやNPOなど、いわゆる社会貢献活動を行っている人たちの海外での奮闘の様子を、旅に出る前までは知るよしもありませんでした。日本ではきれいごとのように入ってくる現地の情報も、谷澤さんのように異国の土地で奮闘している人が創り出しているモノなんだと、改めて感じずにはいられません。
谷澤さんはこの記事には書けないようなディープな話もしてくれました。やはり、日本人がアフリカの土地に来て、現地人とゼロから何かを創っていこうというのは非常に困難なことなのだなと。
ただ、谷澤さんは苦しくも、ツライことがあっても、それでも逃げ出すこともなく、むしろ、その状況を楽しむかのように、今もなおケニアに身を置いています。彼女のように現場に飛び込んで支える人がもっともっと必要になってくるのではないかと思います。
また、谷澤さんが言うようにアフリカの“依存”については考えなくてはなりません。現地の人たちのサポートはするけれども、依存ではなく自立をうながす方法。とても難しく、かつ時間もかかることですが、これが一番大切なのだと思います。それをケニアで実践されている谷澤さんにお会いできて本当に良かったです。
近年、社会貢献という言葉が注目され、多くの若者が興味関心を抱いています。ぜひ、次のステップとして興味を抱いた人は社会問題の現場に飛び出してみてください。「机上の空論ではなく、地に足の着いた理論と解決方法を提唱できる人にならなくては」と、改めて考えさせられました。
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