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運転士の失神・発作……列車は大丈夫なのか杉山淳一の時事日想(1/4 ページ)

京都でクルマが交差点に突入し、8人が死亡する事故が起きた。ドライバーが病気で失神していた可能性もあるという。鉄道の世界はワンマンカーが増えているが、もし運転士が運転中に意識を失えばどうなるのか。

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杉山淳一(すぎやま・じゅんいち)

1967年東京都生まれ。信州大学経済学部卒。1989年アスキー入社、パソコン雑誌・ゲーム雑誌の広告営業を担当。1996年にフリーライターとなる。PCゲーム、PCのカタログ、フリーソフトウェア、鉄道趣味、ファストフード分野で活動中。信州大学大学院工学系研究科博士前期課程修了。2008年より工学院大学情報学部情報デザイン学科非常勤講師。著書として『知れば知るほど面白い鉄道雑学157』『A列車で行こう9 公式ガイドブック』など。公式サイト「OFFICE THREE TREES」ブログ:「すぎやまの日々」「汽車旅のしおり」、Twitterアカウント:@Skywave_JP、誠Styleで「杉山淳一の +R Style」を連載している。


 米国で、スクールバスの運転手が心臓発作を起こして操縦不能になった。小学生の機転でキーを抜き、バスを路肩に停車させた。その様子がYouTubeに公開されて、日本のメディアでも報じられた。


 4月12日、京都で大惨事が起きた。祇園の四条通と大和大路通の交差点で、クルマが歩行者の列に突入し8人が死亡、1人が意識不明の重体、10人が重軽傷と報じられている。原因はドライバーが持病で意識を失っていた場合と、故意であった可能性もあるとして調べが進められている。持病で失神していたとしたら、ちょうど1年前に栃木県鹿沼市で起きた事故と似た状況だ。栃木の事故では、クレーン車を運転していたドライバーが意識を失い、小学生の列をなぎ倒した。

 警視庁の発表によると、2011年に運転者の発作・急病による交通事故は254件も発生しているという。何事も鉄道と結びつけて考える私は、こうしたニュースを見聞きするたびに「鉄道のような安全装置があったらいいのに」と思う。

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