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コラム

河北新報編集委員の著作にみる、ブレない記者魂相場英雄の時事日想(4/4 ページ)

震災関連の書籍はたくさんあるが、その中でも『「河北新報」編集委員の震災記録300日』(著:寺島英弥)は優れた作品だ。記録の中には、地域を愛し、そこに生きる人たちの様子を伝えるブレない記者魂がうかがえた。

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 今回のコラムで引用した穏やかな筆致と同様、寺島氏本人も静かな、そして優しい人柄だったことに驚いた。ただ、「取材案件が多くて忙しい」と語ったあとの同氏は、紛れもなく記者の顔をしていたことを鮮明に記憶している。

 被災地に足を向けることもなく、また現地の人たちの話を聞こうともしない大手マスコミの幹部記者が多い中、同氏の綴ったルポは一際存在感を増す。多くの読者に手に取ってもらいたい作品なのだ。

 最後に寺島氏から届いたメールの一部を紹介する。

 『3・11が過ぎて、風化は日に日に早まり、風評は変わらず残るのだろうと思いますし、その中で忘れられ、声が彼岸に届かなくなることを被災地の人たちは恐れております。それゆえ、私のブログも終わらないのだろうと思っております』

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