コントロールできるものと、できないもの――それが部下育成:部下育成の教科書(6)(1/4 ページ)
「部下を育成したいのに、うまくいかないなあ」と感じているビジネスパーソンも多いのでは。そんな人に部下育成のポイントを紹介しよう。
部下育成の教科書:
この連載は書籍『部下育成の教科書』(ダイヤモンド社)から抜粋、再編集したものです
山田直人(やまだ・なおひと)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ研究員。早稲田大学理工学部経営システム工学科卒業。多数の社会人向けトレーニングプログラム開発に従事。近年では、トランジション・デザイン・モデルの開発や、研修効果を高め受講者の職場実践を促進する研究及びサービス開発に携わる。
木越智彰(きこし・ともあき)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ研究員。京都大学文学部人文学科卒業。新人・若手向けを中心とした研修サービスの開発及び、中堅中小企業向け研修サービス「リクルートラーニングクラブ」のサービスを立ち上げ、外国人従業員の受け入れ・定着支援に携わる。
本杉健(もとすぎ・たけし)
株式会社リクルートマネジメントソリューションズ マネージャー兼主席研究員。一橋大学社会学部卒業。専攻は組織論。自動車、電機、通信、鉄道、銀行などの業界の企業にHRMソリューションサービスを提供。現在は企業における役割転換の調査・研究に携わる。
トランジションを促進させる周囲の関わり
部下本人が「トランジションを促進させる体験」の過程で受ける、周囲からの関わりです。ここで言う周囲とは、上司であるあなただけでなく、職場の先輩や後輩、他の部署の関係者なども含まれます。周囲から継続的な支援を受けたり、心に刺さるひと言を投げかけられたりすることを指します。
トランジションを促進させる周囲の関わりの例
(1)スターター(Starter)へのトランジション
- 自分視点でなく、他者視点や多様な観点を示して考えさせる
- 安心して相談してきてくれる関係性を作り、励ます
(2)プレイヤー(Player)へのトランジション
- 報告・連絡・相談の徹底を促し、事実と判断の根拠を求める
- 一緒に振り返りを行い、できるようになったことや結果が出たことについて認める、ほめる
(3)メインプレイヤー(Main Player)へのトランジション
- 日頃から声をかけ、仕事の抱え込みの状況を把握しておく
- 仕事に対する考え方や持論を語り合う
(4)リーディングプレイヤー(Leading Player)へのトランジション
- 自分で手を動かして進めようとすることを注意する
- チームの成果を重視することを示す トランジションを促進する要因として、仕事の体験と同時に両輪を成すものが、周囲の関わりです。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.