コラム
「関越道バス事故」と「中国の観光バス事故」の共通点:窪田順生の時事日想(3/3 ページ)
46人もの死傷者をだした関越自動車道のツアーバス事故。次々と驚くような事実が明らかになっているが、筆者はこの事故と、1週間前に起きた事故の共通点に注目している。
同情するのは勝手だが、マスコミがお得意な「ドライバー個人を責めるより再発防止が大事」で片付けては、なぜ彼が日本のルールをスルーしたのかは見えてこない。
ガードレールの整備実態の調査も必要だ。運行会社の安全管理を徹底せよというのもごもっとも。ただ、それだけではないはずだ。
震災で減っていた中国人ツアーは徐々に持ち直している今、「河野交通」のように中国人相手に中国スタイルのバスツアーを運行している業者はゴマンといる。ついでに言えば、河野化山容疑者は「中国残留孤児の子弟」だとみられているが、元警視庁通訳捜査官の坂東忠信氏の『日本が中国の「自治区」になる』(産経新聞出版)によると、「日本に滞在する残留孤児関係者のほぼ九割が偽物」らしい。
ならば、第二、第三の「河野化山」たちに「日本の安全ルール」をきっちりと叩き込む仕組みをつくるべきではないか――。
そんなことを強く訴えるマスコミがひとつぐらいいなくては、亡くなった方たちが浮かばれない。
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