連載
30代は人生における大きな転換期:部下育成の教科書(8)(2/2 ページ)
人生の節目はいろいろあるが、特に30代は多い。仕事や家庭のことだけでなく、将来への不安や人生への疑問がわく時期でもある。自分を見つめなおしてみたい人に、ある臨床心理学者の言葉を紹介しよう。
これらはいずれも、人生のさまざまな節目における変化としてトランジションを捉えたものですが、本書ではビジネスパーソンとしての段階が変わるタイミングに注目し、トランジションの考えを扱っています。
ブリッジズの言葉を借りるならば、ビジネスパーソンの段階が変わるときにも「終わり」「ニュートラル・ゾーン」「始まり」を経ます。段階が変わったことで、周囲から求められていた期待や役割が変わり、それまでのようには仕事がうまくいかなくなります。
これはまさに、今までの段階が終わりを告げたことに他なりません。そこでもがいてみたり試行錯誤する過程で、しばらくすると何かのきっかけで新たな段階での仕事に楽しさを覚えたり、コツをつかめたりと、新たな段階の始まりを迎えます。途中のニュートラル・ゾーンは苦しみに耐える時間ですが、新たな段階を迎えることから目をそらさず適応していこうとすることが、次の段階でいきいきと働く自分を作るための大切な時間なのです。
本書では、企業でのビジネスパーソンにおいては、仕事の体験や周囲の人々との関わり合いの過程でトランジションのプロセスが効果的に進んでいくと考えています。(終わり)
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