コンプガチャは違法、規制は7月1日から――消費者庁(2/2 ページ)
消費者庁は5月18日、ソーシャルゲームのコンプガチャ(コンプリートガチャ)について、景品表示法で禁止しているカード合わせに該当するとの正式見解を表明。新たな運用基準を7月1日から適用していく。
パブリックコメントを経て、7月1日に施行
消費者庁ではこの考え方を明確にするため、コンプガチャは「カード合わせ」に当たるとする運用基準の改正案を発表。5月18日から6月18日までパブリックコメントを募集し、寄せられた意見を踏まえた上で7月1日から施行する予定だ。
運用基準の改正案ではこの文面を加える方針
次のような場合は、告示第五項のカード合わせの方法に当たる。携帯電話ネットワークやインターネット上で提供されるゲームの中で、ゲームのプレーヤーに対してゲーム中で用いるアイテム等を、偶然性を利用して提供するアイテム等の種類が決まる方法によって有料で提供する場合であって、特定の数種類のアイテム等を全部揃えたプレーヤーに対して、例えばゲーム上で敵と戦うキャラクターや、プレーヤーの分身となるキャラクター(いわゆる「アバター」と呼ばれるもの)が仮想空間上で住む部屋を飾るためのアイテムなど、ゲーム上で使用することができる別のアイテム等を提供するとき。
グリーやDeNAなどソーシャルゲーム大手各社は、コンプガチャを順次廃止していく方針を示している。しかし、消費者庁の正式見解の表明から運用基準の改正案施行まで、1カ月半ほど時間が空くことになる。
この件について、消費者庁表示対策課の片桐一幸課長は「カード合わせは昭和30〜40年代からの規定で、具体的な措置命令、排除命令等で法令を適用してきた例が長年ない(懸賞景品制限告示が最後に適用されたのは1999年)。インターネット上のコンプガチャのようなものについて、カード合わせの規定をどのように解釈するのかというガイドラインもない。そのため、いきなり法律を適用するのではなく、まずは違反になるということについて一般的な考え方を示した上で各事業者への注意喚起をうながすという方法をとった」とコメントしている。
また、運用基準の改正以降、行政処分の対象となるのはあくまでカード合わせに該当する事例のみ。通常の有料ガチャは景品表示法違反に当たらないほか、有料ガチャで同じ種類のカードを10枚集めたら強いカードがもらえるといった方式についても「一般的に違反に当たらない」(片桐氏)という。
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