検索
連載

「鉄道ファン=良い客じゃない」――この構図にしたのは、誰かどうなる? 鉄道の未来(3)(4/6 ページ)

「鉄道ファン」といっても、いろいろある。例えば、列車の撮影を趣味とする「撮り鉄」、走行中の列車を録画する「録り鉄」など。しかしこうしたファンは、鉄道会社にとって悩ましい存在なのかもしれない。その理由は……。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena

大塚:ちなみに名誉駅長の第1号は、由利高原鉄道の春田啓郎社長の先輩。酒の席で酔っ払ったとき「3万円払えば駅長になれるぞ」と言ったら、その先輩は「3万円か、安いな。買った」と言って、名誉駅長になってしまった。

 また旅行ツアーで訪れた客に名誉駅長の話をしたら、その中から第2号が誕生した。この話を聞いたとき、お金を落とす人は落とすんだなあと思いました。

 このほかにも埋もれていてもったいないなあ、と思うことはたくさんあります。例えば記念乗車券。なぜもったいないかというと、記念乗車券にハサミを入れてしまえば「記念乗車券としての価値が低下する」と思っている人も多いかもしれません。なので「そのまま残しておきたい」「日付だけ入れて残したい」「2つ買って1つは日付を入れて、もう1つは入れないでおく」といった楽しみ方をする人がいる。記念乗車券を使わない人は多く、死蔵率が高いんですよね。

杉山:切手もそうですね。

大塚:記念乗車券は紙でできているので、どんどん発行すればいい。鉄道会社は潜在的に大きなビジネスチャンスがあるのに、それを積極的にやらない。JR上場3社をはじめとする大手鉄道会社は何もしなくても利用客が集まるので、新たなことに挑戦するリスクを嫌う保守的な企業風土が根強いようです。第一線の社員からは「上層部の頭が固くて」といった愚痴を聞くのですが、もったいないなあと思いますね。


由利高原鉄道では列車の行き違いの際のタブレット交換が今も健在(秋田県前郷駅、撮影:大塚圭一郎)

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る