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危機に瀕する地方鉄道に、打つ手はあるのかどうなる? 鉄道の未来(7)(2/6 ページ)

地方鉄道が危機に瀕している。もちろんすべてではないが、地方経済の疲弊や人口減などを背景に、鉄道の利用客が減少傾向にある。こうした事態に、打つ手はあるのだろうか。答えは「ある」。

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疲弊している第三セクターの鉄道会社

――第三セクターの鉄道会社で疲弊しているところも多いですね。

大塚:時刻表はいまデジタル化されていますが、それでも時刻表の本は売れています。第三セクター鉄道の路線図は丁寧に書かれていますし、旧国鉄だという特例の扱いも受けて、時刻表に書かれているんですよ。それだけでも、後ろのほうに回される私鉄やバスよりも優位ですよね。

 なぜこうした優位性をみすみす失っているのか。その要因のひとつが、第三セクター鉄道を「金食い虫」のような厄介者ととらえている地方自治体があるから。

 鉄道を利用して、観光地に行ってみようかという人は多い。観光地へのアクセスという意味でも鉄道は大きな武器なので、残すのであれば地域の活性化とセットで考えなければいけない。なので自治体が第三セクターをある程度支えることは必要だと思っています。

 また高齢化が進めば、地域の足として、鉄道は必要になってくる。「自分はクルマが運転できないので、タクシーを呼ぶしかない」という人が多い中で、鉄道やバスを残すのは重要なこと。クルマに乗るよりも、鉄道で移動したほうが歩く距離は多い。そうすれば高齢者の健康増進につながるかもしれない。交通弱者の移動権がどんどん侵害されているので、税金を投入してもいいのではないでしょうか。


岡山市内を走る路面電車。岡山電気軌道は和歌山電鉄の三毛猫「スーパー駅長たま」を装飾した車両も運転している(撮影:大塚圭一郎)

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