高齢化が課題!? ヨン様ファンとキムタクファンの共通点:消費者理解コトハジメ(3/3 ページ)
日本と韓国で長く人気を集めている俳優・アイドルである、ペ・ヨンジュンさんと木村拓哉さん。それぞれのファンにはどのような違いがあるのか調べてみました。
ともに富士通のPCがお気に入り
ヨン様好きマダムは、「あずきバー」などあずきの入ったアイスをよく買います。中でもオハヨー乳業の「抹茶あずき」がお気に入りです。ドレッシングは「ピエトロドレッシング」がトップにきています。「ドクターシーラボ」のスキンケアを使い、メイクでお気に入りは「シャネル」ですが、「DHC」も使います。
キムタク好きマダムは、かき氷系のアイスや「レディーボーデン」などの高級アイスなどがお気に入りです。また、体脂肪が気になっているのか「ヘルシア緑茶」「ヘルシアウォーター」を買う率が女性平均の1.6〜1.7倍あります。スキンケアは「ビオレ」「ソフィーナ」などを購入し、メイクは「シャネル」「ソフィーナ」を好みます。なんだか「花王」の製品が多いですね。
ヨン様好きマダムはデスクトップ、キムタク好きマダムはノートPCという違いはありますが、どちらも富士通のPCがお気に入りのようです。
ファッションの好みについては、いつものようにペルソナ・イラストを掲載しますのでそちらをご参照ください。
なんとなくの考察
さて、初期の韓流ビジネスを支えてきたのは噂に違わず、中高年の女性でした。子育てから解放された彼女たちは、同世代の主婦の友達と一緒に韓国ツアーなどに行っている状況が垣間見えます。そういう意味では、ヨン様および韓流ビジネスにとっての優良顧客ということになります。
ヨン様が日本でブレイクしたきっかけとなった『冬のソナタ』は、内容的には「ちょっと込み入ったトレンディードラマ」という感じですね。だから、ターゲットはF1、M1層だったのではないかと思います。でも、「あのドラマがなぜターゲットとは違う40代以上の主婦に強く支持され、その人たちがヨン様好きマダムとして長年、韓流ビジネスの優良顧客となり得たのか?」という点がとても興味深いですね。
それにしても、どちらもファンの高齢化が確実に進行しています。これはブランディングに例えると、新しい顧客の開拓ができていないということになります。メジャーなブランドが、経年による顧客の硬直化を起こしている状況、と言ってもいいでしょう。このような状況に陥ったブランドは衰退の道を歩んでいくことになるわけですが、この2人の次の戦略はどのようになっていくのか? 注目したいと思います。(コプロシステム 商品計画研究所 大久保惠司)
※この記事は、誠ブログ「「ヨン様マダム」と「キムタクマダム」を比べてみました。-データから見るペルソナ図鑑(12)- 」より転載しています。
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