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3年前の「メディア政策10の目標」、どこまで達成された?:中村伊知哉のもういっぺんイってみな!(2/2 ページ)
中村伊知哉氏が3年前にドヤ顔発表した「メディア政策10の目標」。それがどこまで達成されたかを振り返りつつ、新たな環境に立ち向かう作戦を考える。
この3年で様変わりしたメディアの局面
ところが、これが、じぇんじぇんダメなんだな。
だってご存じの通り、この3年でメディアの局面が様変わりしてしまったから。3つの大変化。
1.メディア環境
PC・ケータイからマルチスクリーンへ。通信・放送網からクラウドネットワークへ。コンテンツからソーシャルサービスへ。メディアを構成するデバイス、ネットワーク、サービスの3要素がいずれも構造変化してしまった。次のステージのための新戦略が必要になった。
2.グローバル
しかも、その変化は世界同時進行で、一気に国際競争の渦に飲まれている。日本独自の政策を描いても無力だ。電子書籍や映像配信のプラットフォーム争い、スマホやタブレットの市場争いが典型。
3.復興
さらに日本は、未曽有の震災を経て、復興・再建というより大きな宿題を負った。ITの発展もその文脈の中でとらえなければならない。
こうした新環境に立ち向かう作戦はいまだ描けていない。決められない政治で議論ばかりが時間を費やす。だが、全体図を描く余裕はない。事態が流動的な今必要なのはビジョンではない。決断だ。目の前にある課題に対する対策を、どんどん決定し、実行し、片付けていく。しばし、そうする覚悟が必要だと思う。
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