検索
コラム

「消費税をあげたら自殺率もあがる」ってホント? メディアの罪に迫る窪田順生の時事日想(3/3 ページ)

消費税の増税が、いよいよ本格化してきた。「消費税が増税すれば、自殺率が上昇する」という人がいるが、本当にそうなのか。町工場の「死にそうだ」という悲鳴を取り上げるメディアにも、罪があることを自覚しなければいけない。

PC用表示 関連情報
Share
Tweet
LINE
Hatena
前のページへ |       

 そんな調子で、日本のメディアが自殺ブームを追っているまさにその時、海のむこうでのドイツではゲッベルスが帝国放送協会を国有化し、せっせとラジオを介してナチスのプロパガンダを流し、米国やら同盟国もその見事な手口を研究していた。

この時代、「メディア」は「プロパガンダ」とほぼ同じ意味だった。要するに、ナチスがドイツ国民を煽動するためにつかった「力」を、日本の場合は「自殺の啓蒙」に用いてしまったというわけだ。

 この自殺フィーバーからほどなく、日本の自殺者は初めて年間1万5000人に達している。ジャーナリズムだとか、報道の自由だとかいろんな宣伝文句は生まれたが、その力は基本的に今も変わっていない。

 町工場の「死にそうだ」という悲鳴を取り上げては、これぞ社会正義だと流しているメディアは、そろそろ自分たちが操っているものの「本当の力」をちょっとは意識した方がいい。


メディアは自分たちの「本当の力」を意識した方がいい
前のページへ |       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

ページトップに戻る