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振り込め詐欺にひっかかる奈良県民、なぜ?(4/4 ページ)
奈良県内で振り込め詐欺被害が止まらない。今年は4月の時点で、昨年1年間の被害総額を上回った。詐欺被害が広がる背景には、一体何があるのだろうか。
被害防止のためには
今年に入って県内では県警が把握する限りで200件以上の不審電話があり、未通報分を含めると、件数はさらに膨れあがる見込みだ。
県警は被害防止の啓発活動に役立てようと、詐欺被害者に振り込め詐欺についての意識調査を実施している。調査では「被害に遭わない自信はあったか」との問いに、程度の差こそあれ、回答者25人の内「あった」と答えた被害者は21人だったのに対し、「なかった」は4人だった。
一方で、オレオレ詐欺の被害者は「手口は知っていたか」との質問に、回答者18人中、15人が「知らなかった」と答えており、被害に遭わない自信はあるものの、犯行手口が周知されていない実態が浮き彫りになった。
県警はこのため、毎月15日を振り込め詐欺の「被害発生ゼロ日」とし、年金支給日の6月15日には県内15警察署の署員と自主防犯団体のメンバー計約570人を動員して金融機関での警戒や街頭での啓発チラシの配布などを実施。在宅時でも留守番電話機能を設定し、家族からの電話には正しい番号でかけ直すなどの被害防止策を呼び掛けている。
県警の担当者は「犯罪者はあの手この手を使って被害者の弱みにつけ込み、財産を根こそぎ奪いにくる」とし、「被害を未然に防ぐためには、家族や知人同士の絆が重要。普段からいつでも相談できるよう、互いに声を掛け合ってほしい」と訴えている。
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