コラム
本当にできないの? 鉄道ファンが笑う、大阪の新ルート:杉山淳一の時事日想(5/5 ページ)
大阪都の将来を描いた基本構想「グランドプラン・大阪」には、なにわ筋線のほかに、もうひとつの関空アクセス線計画がある。それがあまりにも荒唐無稽だと鉄道ファンに嘲笑されているらしい。
四つ橋線と南海電鉄の乗り入れについては、技術的には不可能ではない。鉄道ファンから「できっこない」と笑われる言われはないだろう。いや、本当は鉄道ファンだって、実現したらオモシロイと思っているはずだ。なにしろ全国でここだけ、世界でも珍しい4線軌条による営業路線となる。鉄道ファンにとっては観光の対象にもなる。国際的な大阪の地位向上、観光客誘致も「グランドデザイン・大阪」の重要ポイントだ。その意味でも四つ橋線の4線軌条は貢献度が高い……かもしれない。
できない理由を挙げるより、できる方法を探したほうが前向きだし、自治体の政策とは本来そうあるべきだろう。いずれにせよ「グランドデザイン・大阪」を見ると、大阪の役所の人も橋下さんも「鉄道が好き」らしい。そう思うと大阪への親しみが増してくる。
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