未来に追いついた? 映画や漫画に出てきそうなカーナビ:仕事をしたら“未来”が見えてきた(後編)(4/4 ページ)
パイオニアが開発したカーナビ「HUD」は大きな反響を呼んだ。「ドラゴンボールに出てくるスカウターのようだ」「宇宙兄弟に出てくる宇宙ナビのようだ」と。漫画やSFに出てきそうなこのカーナビ、開発者はどのような苦労があったのか。話を聞いた。
土肥:米国で放送された『ナイトライダー』というテレビドラマをご存じでしょうか? ドラマの中では人工知能を搭載したスーパーカーが登場します。そのクルマは言葉が話せ、元刑事とともに正義の騎士として悪と戦うのですが、カーナビもドライバーとともに楽しく運転できるようなモノになるかもしれない。
古賀:近い未来だと思いますが、フロントガラスに直接ナビ情報を映す技術が発達し、それが普及するでしょうね。そして車種を選ばず、視線移動の少ないカーナビがでればいいなあと思いますね。
(終わり)
取材メモ
HUDの開発にあたって苦労されたことは? と聞いたところ、古賀さんは次々に事例を挙げてくれた。記事では紹介しなかったが、まず「HUDをどこに置けばいいのか?」といった議論から始まったそうだ。
フロントウインドウの上の部分に設置することが決まったものの、次に「どのように設置すればいいのか?」という難問にぶちあたった。HUDはサンバイザーの取付穴を利用するが、穴の規格はバラバラ。メーカーだけでなく、車種によってもバラバラ。同じ車種でも年式などによってもバラバラなのだ。
できるだけ多くの車種に……という想いから「取付キットを増やそう」という意見もあったが、それだと車種ごとに必要になる。問題点を洗い出し、最終的には挟み込んで取り付けるようにした。
最後に「古賀さんがこだわったところは?」という質問に、意外な答えが返ってきた。「コンバイナーのアーム部分を見てください。クルマに付いていて違和感のないデザインにしたんですよ」と。アームなので強度を保ちつつ、クルマの内装に溶け込むようなデザインにしたという。もしHUDに触れる機会があれば、開発者のこうした声を思い出すのもいいかもしれない。
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